第127章 閻魔大王でも彼女の命を奪えなかった

「……王手」

「汐里、またおじいちゃんに負けたな」

田村爺さんは顎を撫で、満面の笑みを浮かべた。

田村家は人里離れた場所にありながら、京清市でも最大級の豪邸として知られている。延べ床は1万平方メートルを超え、大小の中庭や庭園に加え、喫茶店とくつろぎのラウンジまで備えていた。

建てられてから百年。内装は今も当時の趣を色濃く残している。幾度か大規模な改修は入ったが、屋敷の骨格はほとんど変わっていない。

この家の歴史は、そのまま田村家の歴史だった。

田村家はもともと極道で成り上がり、ここ二十年ほどで表向きは「更生」してきた。だが地下では、いまだ黒い稼業が動いている。田村爺さんには息子が...

ログインして続きを読む